魚とん本日の日替わり
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さて。本日読み終えましたのは、『短歌と俳句の五十番勝負』。歌人の穂村弘さんと俳人の堀本裕樹さんによる50の題詠集で、新潮社のPR雑誌「波」の連載をまとめたものだそうです。一つの題について穂村さんの歌と文章プラス堀本さんの句と文章が書かれていますけど、これがもう、「なんで???」と思うくらいおもしろくなかった。せっかくなので、その理由を考えてみよう。

まず、構成について、穂村さんは歌と文章で1ページなのに対して、堀本さんはなぜか2ページで、ここに謎を感じました。世の中で作者自注ほどつまらないものはないでしょってとこへもってきて、なにをそんなに書いてんだ、など。

でもって、おもしろくなかった理由のほとんどは、正直言って穂村さんの歌が全然よくなかったからだと思います。50首だしてそれが全部良い歌なわけはないんだから、そこは当たり前とはいえ、なんていうかほんとによくなかった。さらには、俳句は勉強してないので印象だけですけど、堀本さんの句も全然いいとおもえなかった。このへんのところは、題詠によくありがちなアレなのかなー。

とはいえ 穂村さんの歌でいいなーと思ったのは次の二首です。一首めは韻律が不思議。東直子さんぽいけど。二首めは、「だらけ」じゃなくて「だけ」としてるのがいいなとおもいました

文鳥の水浴びが光る球をなすというあなたの部屋を思えり
やわらかいひかりに頬を照らされてポカリスエットだけの自販機
穂村弘

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