吉野詣で 後編
[「5/3吉野詣で前編」(http://d.hatena.ne.jp/pirica/20120503)の続きです〜 ]
行き先もわからないまま、つい乗り込んでしまったマイクロバスは、杉が生い茂る山の細い道をゆっくりゆっくり登っていきます。さきほど私が「終点」だと思っていたのは「中千本」という場所で、どうやらこのバスこそが終点である「奥千本」というとこまで行くみたい。にしても、奥千本って、どこなんですか?
やがて到着した「奥千本」で、はっきり言って私は途方にくれました。ここはどこなの(涙)。霧がでてるし、暗いし、ぱっと見、なんにもないし。このまま下界に戻るべきでわ...。
そこで、バスの運転手さんに「ロープウェイ乗り場まで戻るバスはいつ出ますか?」とたずねると、「今このバスが通ってきたのは裏道だからなーんにも見るものないから、またこのバスに乗って下に戻るよりも、(指さしながら)そっちの道をずーっと歩いて降りていくといいよ」といいながら、私の服装(ウオーキングサンダル&レギンスとチュニックシャツ)をチェックして、「その格好じゃあ、ここより奥の方(<-西行庵とかあるらしい)までいくのはとてもムリだから、まずその鳥居の奥にある金峯神社を見て、そのままUターンしてここまで戻っておいで。そいでもって、ずーっと降りていきな。高城展望台で奥千本を見て、もう少し行くと世界遺産の水分神社があるからそこも見て、あとはずーっと歩いていけばいいよ」とのことです。運転手さん、ありがとう! そのとおりにいたします!
神社の右手のほうに道が続いていて、ちょっとだけのぞいてみたけど、たしかに運転手さんのいうとおり、すごいぬかるんでるし、この格好ではムリ。あきらめて、引き返そうとすると、なんと、その道を、こっちに向かって駆けてくる白装束の男性が二人!ナマの山伏だ!
おもわず話しかけちゃったところ、八時間かけてここまで奥駈(おくがけ)してきたとのこと。へーへーへー。おふたりともアスリートってかんじでした。やっぱ実際問題奥駈するとなると、首からぶら下げてる結袈裟(ゆいげさ:ぽんぽんみたいなやつ)やら白足袋がかなりタイトな仕様になってたりするのかーと、じろじろ見てしまいました(写真はさすがに遠慮した)。
そうこうするうちにまた雨が降ってきました。雲が下から吹き上がってきます。
さて、でわ、山を下っていきましょう。野鳥の声と風の音しか聞こえてこない道を、貸し切りで歩きます。
ええと、この道であってるのかしら。って一本道なので、これしかないんだけど、ちょっと不安。
と見えてきました。吉野水分神社。地元の方が雨風で飛んできたと思われる枝やら葉っぱやらをお掃除されていましたので、ご挨拶してお参りします。
桜の季節には有料の桟敷となるらしい花矢倉から、蔵王堂がみえました。ていうか、あそこまで歩けってことなの? がーん。
シャクナゲもいたるところで満開でした。
ようやく中千本まで降りてきました。距離にして約4キロでした。ふー。休憩がてら、みそこんにゃく(100円)および豆乳(これも100円)を買い食いして、吉水神社。
ずいぶん降りてきたつもりが、まだまだ高いところにいるのであった。
かくして、がくがくする膝と腿でさらに千本口駅まで下って、ロープウエイにのって、吉野駅まで戻ってきました。こんなに長い時間(約二時間) ひたすら下ったってのは、人生初めてでわないかと思われます
たくさん歩いて汗&ほこりまみれなので、ひと風呂あびてから帰ろう。ということで、あらかじめ調べておいた銭湯に行くべく、橿原神宮駅で途中下車。
お参りするにはもう遅いので、二番目の鳥居のところまで行って引き返しました。